37種類の新薬が開発中
米国研究製薬工業協会(以下、PhRMA)は現地時間3月24日、米国におけるパーキンソン病治療薬開発について最新報告書をまとめたことを発表した。
報告書によると、パーキンソン病の患者は世界で1千万人といわれており、PhRMAに加盟するバイオ医薬品開発製薬企業では、これらのパーキンソン病患者救済のために37種類の新薬を開発しているという。
(画像はwikiメディアより引用)
この37種類の新薬は現在すべて臨床試験中、もしくは米食品医薬品局(FDA)の審査を受けている段階にある。37種類のうち23種類がパーキンソン病に対する新薬、11種類が関連疾病に対するもの、3種類が診断用医薬品となる。
米国では2番目に多く見られる神経変性疾患
米国におけるパーキンソン病患者の正確な数は把握されていないが、推定では150万人に上り、米国では2番目に多い神経変性疾患だ。また、米国において毎年新たに診断される患者は6万人だが、この数には診断を受けていない潜在的患者は含まれていない。
パーキンソン病の患者数は2040年までに2倍以上になると予想されている。対処法が求められており、変性および異常が頻繁に見られる脳の受容体を対象とする新薬の開発、運動を司る脳の領域を対象とした遺伝子治療、経鼻投与製剤、経腸投与ジェルなど、現在承認されている治療法の新たな薬物送達メカニズムの研究、といった新たな取り組みが進められている。
PhRMAのジョン・J・カステラニ理事長兼CEOは今回の発表に伴い、
現在開発中の40種類近くの医薬品は、私たちの活動とともに、パーキンソン病が世界中の患者さん、公衆衛生、また経済に及ぼしている大きな負担を軽減させることができるという大きな希望を与えてくれる存在なのです。(米国研究製薬工業協会 プレスリリースより引用)
と述べている。(伊藤海)
▼外部リンク
米国研究製薬工業協会 ニュースリリース
http://www.phrma-jp.org/archives/pdf/