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第一三共、ランバクシー経営権を譲渡―印GE薬大手サン社に

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2014年04月09日 AM09:39

第一三共は、印GE薬子会社「ランバクシー・ラボラトリーズ」に関して、GE薬世界第5位の印サン・ファーマシューティカル・インダストリーズと吸収合併し、実質的な支配権を手放すと発表した。サンは株式交換により、ランバクシーの全株式を取得し完全子会社化する一方、第一三共は新会社の全株式の約9%を取得し主要株主になる。米FDAから禁輸措置を受けているランバクシーの4工場については、今年末をメドとする合併完了後、サンの主導で問題解決を図る考え。中山讓治社長は7日、記者会見で、「新薬とGE薬のハイブリッドビジネスを進展させるため、ランバクシーの事業基盤と相互補完性が強いサンとの提携を選んだ」と説明した。

中山社長

サンは、1983年の設立で、印ムンバイを本拠とするGE薬メーカー。慢性疾患領域に強く、2013年3月期売上高は1932億円、営業利益845億円と印第2位。ランバクシーとの合併で売上規模は約43億ドルに達する見通しだ。

今回の吸収合併では、ランバクシー株式1株に対し、サン株式0・8株の株式交換を行う。主要株主となる第一三共は取締役1人をサンに派遣する権利を持つ。

2008年にランバクシーを買収した第一三共のハイブリッドビジネスは、先進国と新興国、新薬とGE薬を補完する事業形態として大きな注目を集めた。しかし、パオンタ・サヒーブ、デワスの印工場がデータ改ざんで米国禁輸措置を受け、13年にはモハリ、今年にトアンサがFDAの監視下に置かれるなど、米国事業で苦境に立たされていた。

こうした中、サンが第一三共のハイブリッドビジネスに高い興味を示し、ハイブリッドビジネスをグローバルで加速させたい第一三共の意向とも一致した結果、ランバクシーとの合併に合意。中山氏は、FDAとの問題は解決すべき課題とした上で、「パートナーなしでランバクシーを回復軌道に乗せるつもりだったが、サンの資金力と人的資源が投入されることで、一連の問題解決が加速する」と意義を説明した。

さらに、急性疾患領域に強く、東欧やロシア、アフリカ、東南アジアに販路を持つランバクシーと、慢性疾患領域に強く、米国事業で実績があるサンの合併は、「インド市場でのトップシェアを獲得でき、相互補完性が高い」と評価し、「ランバクシーを直接持つよりも、サンと組む方がグローバルで存在感を示せる可能性がある」と述べた。

世界各国で第一三共とランバクシーの事業連携を進めているが、サン社社長も現行体制の継続に前向きな姿勢を示しているという。今後、サン、第一三共子会社の事業基盤を組み合わせ、各国での協業の方向性を検討していく方針だ。

 

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