サンは、1983年の設立で、印ムンバイを本拠とするGE薬メーカー。慢性疾患領域に強く、2013年3月期売上高は1932億円、営業利益845億円と印第2位。ランバクシーとの合併で売上規模は約43億ドルに達する見通しだ。
今回の吸収合併では、ランバクシー株式1株に対し、サン株式0・8株の株式交換を行う。主要株主となる第一三共は取締役1人をサンに派遣する権利を持つ。
2008年にランバクシーを買収した第一三共のハイブリッドビジネスは、先進国と新興国、新薬とGE薬を補完する事業形態として大きな注目を集めた。しかし、パオンタ・サヒーブ、デワスの印工場がデータ改ざんで米国禁輸措置を受け、13年にはモハリ、今年にトアンサがFDAの監視下に置かれるなど、米国事業で苦境に立たされていた。
こうした中、サンが第一三共のハイブリッドビジネスに高い興味を示し、ハイブリッドビジネスをグローバルで加速させたい第一三共の意向とも一致した結果、ランバクシーとの合併に合意。中山氏は、FDAとの問題は解決すべき課題とした上で、「パートナーなしでランバクシーを回復軌道に乗せるつもりだったが、サンの資金力と人的資源が投入されることで、一連の問題解決が加速する」と意義を説明した。
さらに、急性疾患領域に強く、東欧やロシア、アフリカ、東南アジアに販路を持つランバクシーと、慢性疾患領域に強く、米国事業で実績があるサンの合併は、「インド市場でのトップシェアを獲得でき、相互補完性が高い」と評価し、「ランバクシーを直接持つよりも、サンと組む方がグローバルで存在感を示せる可能性がある」と述べた。
世界各国で第一三共とランバクシーの事業連携を進めているが、サン社社長も現行体制の継続に前向きな姿勢を示しているという。今後、サン、第一三共子会社の事業基盤を組み合わせ、各国での協業の方向性を検討していく方針だ。