ベンダプニア(bendopnea)という新しい言葉、すでに耳にしたことがある方はいらっしゃいますか? これは、身体を折り曲げたとき(bend)と無呼吸(apnea)をあわせた言葉で、靴を履くときや足の爪を切るときなど「身体を折り曲げたとき」に「息苦しい、息ができない」と感じる症状です。
(画像はイメージです FreeDigitalPhotos.net/hyena reality)
実はこのベンダプニア、心不全の一つの症状であるという報告がUniversity of Texas Southwestern Medical Center のJennifer Thibodeau博士ら研究グループによって、米専門誌「Journal of the American College of Cardiology」に発表されました。特別な器具を使わず、簡単に分かる心不全の自覚症状として、注目を集めています。
ベンダプニアは、これまでは「太っているからお腹がつかえている」と解釈されることがほとんどでした。ところが、心臓のカテーテル治療を受けるために受診した102人の患者さんを対象にベンダプニアの症状の有無を確認したところ、およそ3分の1の人たちにこの症状があることがわかりました。
患者さんたちは、まず横になって、心臓にかかる圧力を調べました。次に、椅子に1分間座った後、そこから上半身を1分間前屈してもらい、もう一度心臓にかかる圧力を調べたのです。すると、上半身を曲げる姿勢によって、心臓に圧力(負担)がかかって、ベンダプニアの症状を訴えた人が29人いることが分かりました。これは、身体の中の水分量が増えていることで、心臓にかかる圧力が高くなることを表します。
簡単に確認できる心不全の自覚症状、ベンダプニア。これから、様々な場面で活用されそうですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Characterization of a Novel Symptom of Advanced Heart Failure: Bendopnea
http://www.sciencedirect.com/science/article/
Cardiologists define new heart failure symptom: Shortness of breath while bending over
http://www.utsouthwestern.edu/newsroom/news-releases/