医師主導臨床研究における不適切な行為への対応
SIGN研究に関して、日本法人社員による患者の個人情報取得の可能性や社員が証拠文書などを破棄していたことが社外調査委員会の調査結果により明らかになったノバルティス ファーマ株式会社は、4月3日に一連の医師主導臨床研究における不適切な行為に関して記者会見を開催。同問題の解決に向けた対策を発表した。
主な対応は以下の3点
- ノバルティス ファーマ株式会社の代表取締役社長や常務取締役、ノバルティスホールディングジャパン株式会社の代表取締役社長などが退陣
- 2011年以降ノバルティスが関与した医師主導臨床研究の、第三者による包括的調査を実施
- 医師主導臨床研究の支援を一時的に停止
となった。今回の対応について、ノバルティス ファーマ(スイス)の デビッド・エプスタイン社長は、「責任を持って法令を順守し、倫理的に事業を遂行できる、経験豊かな新経営陣によって、新たにノバルティス ファーマ株式会社を立て直す必要があります。日本法人の従業員と新しい経営陣が協力し、日本の社会に対する責任を果たすため努力するとともに、継続中の研究開発を通じて、ノバルティスは日本の患者の皆様の生活をよりよくする革新的な医薬品を提供して参ります」と述べた。
第三者による包括的調査の間、医師主導臨床研究支援を停止
同社では2011年以降に行われた医師主導臨床研究に対して、第三者による広範囲にわたる調査を2月初旬より実施している。この調査は本年夏までに完了する予定で、調査継続中は、日本における医師主導臨床研究に対する支援をすべて一時的に中断することを発表した。新しい代表取締役社長となるダーク・コッシャ氏は「ルールに反する行為をすべて停止し、日本で適切な方法で臨床研究を実施、支援することに尽力します。ノバルティス ファーマ株式会社が、医師主導臨床研究の問題是正を通じて得られる経験と知識が、日本における臨床研究実施方法の改善に貢献できることを願っています」と述べている。(QLifePro編集部)
▼外部リンク
ノバルティスファーマ プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/