スマホアプリで25分間ゲームをすると、不安が軽くなる…。ちょっと不思議な話が、専門誌「Association for Psychological Science」に発表されました。
(画像はwikiメディアより引用 by Laihiu)
不安は誰もが経験する心理状態ですが、この度合いが極端に高まると、精神科の治療の対象になることがあります。けれども、住んでいる地域に専門家がいなかったり、仕事などの事情で継続して通院をすることができなかったりといったことから、必要なアプローチを受けられずにいる人が多いことが問題となっていました。
このゲームは、認知療法の基本を取り入れたものです。簡単に言うと、怒った顔など不安の要素となるネガティブなものにはあまり注意を払わないように、そして笑顔など心が和むものに対して、より意識を向ける練習を、アプリを通じて行うのです。
このアプリの有効性は、75人の不安が強い人たちの協力で検証されました。スクリーンには、ポジティブ要素とネガティブ要素が同時に一つずつ表示され、ポジティブな要素をタップするのです。
このゲームを25分、または45分行った後に、参加者に10分ほどのスピーチをしてもらい、その様子をカメラで撮影しました。これは参加者にとっては不安を感じるシチュエーションです。そして撮影した映像を分析したところ、アプリを使ったグループはプラセボ群と比べて、不安が軽くなってくることが分かったのです。
現在では、もっと短時間で効果が出る方法がないかが模索されており、すでに10分程度で効き目が見られるようになってきているそうです。実現すれば、いつでもどこでも、効果的な治療を受けられるようになると、専門家の間でも期待が集まっています。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Mental Health on the Go Effects of a Gamified Attention-Bias Modification Mobile Application in Trait-Anxious Adults
http://cpx.sagepub.com/content/
Reducing Anxiety With a Smartphone App
http://www.psychologicalscience.org/index.php/news/