グローバル第3相臨床試験に先立って米国で開始
アンジェスMG株式会社は3月20日、同社の虚血性疾患治療剤「コラテジェン(R)」について、重症虚血肢を対象とした小規模臨床試験を近く開始する方針であることを発表した。試験は米国で実施される。
この小規模臨床試験は、予定されているグローバル第3相臨床試験に先立って行われるもの。同社の米子会社であるアンジェスインクが準備を進めていたもので、ダートマス大学医学部付属病院のダートマス・ヒッチコック医療センターで、今後1例目の患者への投与が開始されるという。患者のプライバシー保護などの観点から、具体的な投与日時は明らかにされていない。今後、約10名の患者が対象となる予定としている。
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オープンラベル試験として安全性や生体内分布などを検証
コラテジェンは、新薬として期待される肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子治療薬。患部に投与することで血管の新生を促すという。末梢性血管疾患や虚血性心疾患の治療への利用が見込まれている。
グローバル第3相臨床試験は、今年の第2四半期から実施施設をオープンし、第3四半期より患者への投与を開始する予定だ。こちらは二重盲検臨床試験であり、結果は治療が終了するまで明らかにされない。
一方、今回発表された小規模臨床試験は、オープンラベル試験であり、有効性についての統計的な解析はできないものの、個別被験者の結果を順次得ることができる。この小規模臨床試験では、グローバル第3相臨床試験と同じ投与スケジュールにより、薬剤の安全性や生体内分布のチェック、さらには有効性も探索的に検証するという。なお、小規模臨床試験とグローバル第3相臨床試験は並行して進められる予定だ。(紫音 裕)
▼外部リンク
アンジェスMG株式会社 ニュースリリース
http://www.anges-mg.com/pdf.php?pdf=100691.pdf