医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 東大 脳回路の記憶に関与するニューロンを同定

東大 脳回路の記憶に関与するニューロンを同定

読了時間:約 55秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年03月28日 PM03:00

特殊な標識法を用いてニューロンを区別

東京大学大学院薬学系研究科・薬学部は3月17日、同大大学院薬品作用学教室の池谷裕二准教授らのグループが、記憶の脳回路痕跡を発見したことを発表した。研究成果は、アメリカの科学誌「Nature Neuroscience」オンライン版に掲載された。

(この画像はイメージです)

研究グループは、特殊な標識法を用いて記憶に関与したニューロンをそうでないニューロンと区別し、記憶に関与したニューロンが脳スライス標本内でも優先的に活動することを発見したという。

さらに脳は、記憶の再生を極めて精細な興奮性調節に基づいて行っていることが、この標本を用いることで明らかになったとしている。

記憶疾患の原因を探る手がかりに

一度つくられた記憶はその後、ノンレム睡眠時に脳内で自動再生されることが知られていた。しかし、記憶痕跡がどのように脳回路に埋め込まれ、脳がどのようにして、その記憶を取り出し、再生するかは解明されていなかった。

プレスリリースでは

これは、デカルト以来350年にわたる謎を解決したのみならず、今後、認知症などの記憶ができない疾患ではどのような問題が生じているのかを解明する手がかりとなることが期待されます。(東京大学大学院薬学系研究科・薬学部プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

東京大学大学院薬学系研究科・薬学部 プレスリリース
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/news.html?key=1395042212

このエントリーをはてなブックマークに追加
TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか
  • 腎臓の過剰ろ過、加齢を考慮して判断する新たな数式を定義-大阪公立大
  • 超希少難治性疾患のHGPS、核膜修復の遅延をロナファルニブが改善-科学大ほか
  • 運動後の起立性低血圧、水分摂取で軽減の可能性-杏林大
  • ALS、オリゴデンドロサイト異常がマウスの運動障害を惹起-名大