日本国内でも使われている痛み止め、炎症止めの薬に、実は抗生物質のように細菌の感染から身を守る働きがあることが分かりました。
(この画像はイメージです)
今回効果が確認されたのは、目薬に使われているブロムフェナク、国内では動物用に使われるカルプロフェンとベダプロフェンの3種類です。
それぞれの薬で、作用としては弱いものの、細菌が人間や動物の身体の中で増えるための、DNAクランプというタンパク質の一種の働きを止めることができるのです。これによって、細菌のDNAの複製作業をブロックすることが確認されました。
すでに認可が下りて使用されている薬では、安全性が確認されているので、新たな効果が見つかると、比較的早く臨床で使えるようになることから、この発見が注目されています。今後調査を続けていくことで、この他の痛み止め、炎症止めの薬でも、同様の効果が見つかるのではないかと期待が集まっています。
今回はアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンなど、日本でも良く使われる非ステロイド系鎮痛剤については、同様の効果があるかは検証されませんでしたが、ただの「痛み止め」ではない薬も実はたくさんあるのかもしれませんね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Commonly used pain relievers have added benefit of fighting bacterial infection
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-03/
DNA Replication Is the Target for the Antibacterial Effects of Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs
http://www.cell.com/chemistry-biology/