デンマークの日照時間を利用した報告
デンマークは緯度の関係から、日照時間が最小で7時間から最大で17.5時間まで変動します。この立地条件を活かして、子どもたちの近視の進行について分析した調査が、2005年に行われています。日の光に当たる時間が、近視の進行に影響を及ぼすと考えられていたからです。
(画像はイメージです)
対象となったのは、8歳から14歳の235人の子どもたちで、近視の診断を受けていました。子どもたちを7つのグループに分け、それぞれのグループでは、データ収集の開始の時期がずらされることで、日光に当たる時間が異なる状態が観察できるように工夫されました。
データ収集は6ヶ月間に渡り、角膜頂点から網膜までの長さ(眼軸長)と、近視による像のゆがみを示す角膜の屈折力、近視の進行度をはかりました。眼軸長が長くなると、近視が進むと言われます。
日の光に当たらないと近視が進みやすい
するとやはり、日の光に当たっている時間と、近眼の進行には関係があることが分かりました。日の光に長く当たる方が、眼軸長の変化が少なく、近眼の進行もゆるやかになるのです。このことから、子どもたちは特に外遊びをすることで、太陽の光を自然に取り入れることが必要であるとされました。
子どもたちは、お日様の中で外遊びをするのが健康的、というイメージがありますが、これは目の健康にとっても大切なことだったのですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Effect of Day Length on Eye Growth, Myopia Progression, and Change of Corneal Power in Myopic Children
http://www.aaojournal.org/article/