糖尿病発症の原因として内臓脂肪ではなく肝臓に着目
熊本大学は3月12日、タンパク質分解酵素であるプロスタシンの発現量が低下し、肝臓に慢性炎症が生じることが、飽食・肥満による糖尿病へ進展していくというメカニズムを、同大学大学院生命科学研究部・腎臓内科学分野の薬学研究院の北村健一郎准教授、内村幸平医師、早田学医師、水本輝彦医師、富田公夫名誉教授らのグループが明らかにしたと発表した。
(画像はプレスリリースより)
研究グループは飽食・肥満による糖尿病発症の原因として、内臓脂肪ではなく肝臓に着目。高脂肪食を与えた肥満糖尿病マウスの肝臓において、プロスタシンの発現が著しく低下しており、その発現を通常に戻すことによって糖尿病が改善できることを発見したという。
さらに肝臓のプロスタシン遺伝子を欠損させたマウスでは、肥満でないにもかかわらず糖尿病を発症することから、肝臓のプロスタシンは、糖尿病の発症を阻止する重要な働きがあるとしている。
糖尿病発症阻止というプロスタシンの生理機能を発見
今回の研究成果は、糖尿病発症阻止に寄与するというプロスタシンの新しい生理機能の解明に成功したもので、プレスリリースでは
本成果は、メタボリック症候群が糖尿病へ進展するメカニズムを明らかにしたもので、これまで予防が中心であったメタボリック症候群に対する新しい治療薬や新規バイオマーカーの開発に向けた重要な手掛かりとなることが期待されます。(熊本大学 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
熊本大学 プレスリリース
http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/