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ポーラ 肌の表面画像から内部を計測する技術を開発

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2014年03月24日 PM05:00

肌の全層分析が可能に

ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社は3月14日、これまで専門的な装置を必要としていた皮膚内部の構造計測を、表面画像から簡便に推定する方法を開発したと発表した。

(画像はwikiメディアより引用)

今回発表された技術とは、従来、専門的な装置を使ってしか測定できなかった皮膚内部にある真皮の線維構造や、真皮と表皮の境界線で形成される真皮乳頭構造(基底層の凹凸構造)を、画像解析だけで、高い精度で推定できるというもの。肌カメラで撮影した肌表面の特徴を、さまざまな解析法を使って約5,000個のパラメーターとして抽出するという。

従来技術を推定式で反映

パラメーターは、皮膚の皮溝皮丘特性、色特性、周波数特性などであるが、従来の装置を使って得たデータと、画像から得たこれらのデータを用いて、統計手法で推定式を作成した。その結果、この推定式を用いることで、機器で計測した結果を高い精度で推定できることが確認されたという。

通常では、表面の状態しかわからないとされてきた肌カメラを用いた画像分析だが、今回の技術を用いれば、画像解析だけで皮膚深部の状態まで推定することができる。皮膚の老化は表面から見えない真皮層の線維構造や、その代謝状態を反映する基底層の凹凸などで把握することができるが、この技術により、肌の表層しか分析できなかった従来に比べ、肌の深部までの状態を簡単に確認することができ、基礎化粧品などによる肌の状態の改善もわかるようになるとしている。

エイジングケアアドバイスへ活用

同研究成果はポーラ・オルビスグループから発売されるカウンセリング化粧品の分析技術に活用する予定であるという。肌の全層分析が可能となり、化粧品カウンセリングにおいて、肌の状態に合わせたエイジングケアアドバイスが可能になることが期待される。(長澤 直)

▼外部リンク

株式会社ポーラ・オルビスホールディングス プレスリリース
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/

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