九州大学先端医療イノベーションセンターと民間企業3社が参画し、医療機器の開発から上市までを一貫支援するプラットフォーム「みやこGATEWAY」がスタートした。製品の企画・構想から製品化までをワンストップで対応し、医療分野への新規参入を目指すベンチャー企業の支援だけでなく、医療機器メーカーに対しても開発業務受託や海外医療機器の国内導入支援を進めていく。九州大学病院ARO次世代医療センター長の中西洋一氏は14日、記者会見で「医療機器開発のプラットフォームとして企業・支援施設・規制当局の連携体制が整った。ネットワーク化を進め、市場化できるようにしたい」と語った。
これからの発展を誓い合う関係者

九大イノベーションセンターは2011年7月、経済産業省の支援を受け、医薬品の開発を目指した「研究施設と臨床施設の一体型施設」として開設。研究室や治験薬GMPに準拠した製剤室のほか、治験専用病棟、手術室などの診療施設を備え、ファースト・イン・ヒューマン試験にも対応し、開発から市場化までシームレスに支援している。
透明性の高い研究を進めていくため、連携体制を強化している。福岡を本拠とするCRO「イベリカ」と提携し、そこにものづくり技術を持った京都の民間企業「五大エンボディ」「写真化学」が加わり、医薬品だけでなく、医療機器開発の支援業務を強化することにした。
具体的なスキームとしては、まず医療機器開発を目指す企業のアイデアや特許をもとに、五大エンボディが試作機の製作を行い、写真化学が持つ3Dプリンタなどのものづくり技術を活用し、量産化する。一方、臨床試験・評価と薬事申請業務については、イベリカと九大病院ARO次世代医療センターが上市まで一貫支援していく。
みやこGATEWAYでは、医療機器開発では初となる医薬品医療機器総合機構(PMDA)との人事交流を進め、確実な上市に結びつける方針。中西氏は、「医療機器開発において評価の仕方が難しいことはPMDAも認識しており、開発早期から協力し、評価指標などを検証していきながら、市場化を実現したい」と述べた。