「コバス EGFR変異検出キット」を発売
ロシュ・グループのロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は3月10日、非小細胞肺がん組織から上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異を検出するための専用キット「コバス(R) EGFR変異検出キット」の発売を開始した。
コバス EGFR変異検出キットは、非小細胞肺がん患者のうち、分子標的薬のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が効きやすいEGFR遺伝子変異陽性患者の特定を補助するための検査キット。EGFR遺伝子変異の大部分を占めるエキソン18から21までの、41の遺伝子変異を定性的に検出することができるという。
(画像はプレスリリースより)
高感度、短時間で検出、個別化医療に貢献
適応機種は核酸増幅・検出装置の「コバス 4800 システム z480」。測定結果は同装置によって自動判定される。この検査キットでは、アレル特異的・リアルタイムPCR法を採用しており、高感度な変異検出が可能という。
また、測定時間は約1.5時間、FFPE組織の脱パラフィンから結果判定まで8時間以内に完了するものとなっており、現場のニーズに応え適切な治療を補助する、迅速かつ高感度な検出結果の提供を実現するとしている。
現在、肺がんのうちの80~85%が非小細胞肺がんであると推察されているほか、日本人においては非小細胞肺がん患者の30~40%でEGFR遺伝子の特定領域で変異が生じているとも報告されている。こうした遺伝子変異が主な原因となってがん化が促進されることが明らかとなっており、コバス EGFR変異検出キットは非小細胞肺がんの治療を最適化する個別化医療の推進に貢献するものと期待される。(紫音 裕)
▼外部リンク
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース
http://www.roche-diagnostics.jp/news/14/