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総合科学技術会議、理研、産総研が候補に―特定国立研開法人を指定

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2014年03月14日 AM09:42

政府の総合科学技術会議は12日、国家戦略で世界トップレベルの研究開発成果を目指す「特定国立研究開発法人」(仮称)の対象候補に、理化学研究所と産業技術総合研究所の2機関を選んだ。世界に影響力の大きい機関として、研究成果の質や分野の広がりを評価した。今後、特定法人を位置づける新たな法律を閣議決定する予定で、会議後に記者会見した山本一太科学技術政策担当相は「今通常国会のできるだけ早い段階で法案を成立させたい」と意欲を示した。

特定法人制度は、国家戦略の観点を踏まえ、世界と競争する研究開発の推進、目標や評価、主務大臣と総合科学技術会議の強い関与等について、新たな法律に規定するもの。現時点で世界トップレベルを標榜するにふさわしい研究活動の蓄積、成果の社会経済への貢献、多様で優れた人的資源、成果最大化に向けた体制を総合的に検討した。

その結果、国際的に活用されているデータに基づく論文の非引用数の世界ランキングの総合順位が政府系研究機関で上位20位程度等の条件を満たしている機関として、理研と産総研の2機関を候補に選んだ。研究成果の質や分野の広がり等を踏まえ、世界に影響力の大きい日本を代表する研究機関と評価された。

ただ、候補の一つとなった理研は、STAP細胞の論文をめぐって画像流用等が疑われており、現在調査中だが、特定法人の重要な要素として、法人のガバナンスやマネジメント体制が求められている。

この点について山本担当相は、「理研は優秀な研究者が活動しており、特定法人の候補にふさわしい」との認識を示しつつ、「理研の調査結果を見て、しっかりガバナンス面等も見極めた上で、最終的には法案の閣議決定で対象を決めたい」との方針を述べた。

今後、国家戦略のもと活動する特定法人は、主務大臣が指示等で関与できるほか、中期戦略目標について、研究成果の最大化やマネジメント事項、研究活動の改善や効率化に関して特例が設けられる。

また、目標の設定、終了時の見直しに総合科学技術会議が関与し、主務大臣の判断で給与の支給基準にも特例を設けることができ、より優秀な研究者を海外から招くことも可能となる。

今回、候補に選ばれた2機関については、政府が正式に決定した後も総合科学技術会議、主務大臣のもとで厳正に評価が行われる。対象法人については、今後、必要に応じて見直していく方針だ。

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