中央社会保険医療協議会総会は12日、政府の国家戦略特区で保険診療と保険外診療を併用できるようにする先進医療制度の運用を承認した。新たな評価制度では、臨床研究中核病院などと同水準の「国際医療拠点」を指定し、指定医療機関が先進医療の審査を申請すると、手厚い事前相談などを行い、審査期間を現行の6カ月から3カ月に短縮させることを目指す。
実施医療機関は、臨床研究中核病院または早期・探索的臨床試験拠点と同水準の施設であることが要件。既に臨床研究中核病院として、北海道大学病院、東北大学病院、千葉大学病院、名古屋大学病院、京都大学病院、国立成育医療研究センターなど10施設が指定されており、早期・探索的臨床試験拠点では、東京大学病院、国立がん研究センター、大阪大学病院など5施設、計15施設が指定されている。
国際医療拠点に指定された医療機関が先進医療の申請を行った場合、審査をより迅速化するため、通常より手厚い事前相談(特別事前相談)を行うと共に、厚労省の先進医療技術審査部会と先進医療会議の合同審査により審査期間を短縮する。対象とする技術や実施医療機関は、先進医療会議で決定した後、中医協総会に報告する。
また、人材等を集中的に投入し、成果を上げるため、1特区内での実施医療機関数は厳選するほか、実施する療養の要件について、「医療水準の高い国で承認されている医薬品等を用いる技術」とし、未承認薬・適応外薬等検討会議の基準と同様に、日本と同程度の医薬品等の承認制度を有する英、米、独、仏、加、豪の6カ国を挙げた。
政府は3月末までに国家戦略特別区域諮問会議で、特区の区域指定案や方針案を決定する予定で、4月以降に国際医療拠点を指定する。