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カイノス 新規血中カルニチン測定試薬2種の製造販売承認を取得

読了時間:約 1分18秒
2014年03月11日 PM08:00

カルニチン欠乏症の迅速な診断に

株式会社カイノスは2月27日、新たな体外診断用医薬品として、2種のカルニチン測定試薬、総カルニチン測定試薬の「T-Carnitine試薬 カイノス」および遊離カルニチン測定試薬「F-Carnitine試薬 カイノス」の製造販売承認を2月26日付で取得したと発表した。

生体内での脂肪酸代謝に必須の物質であるカルニチンの欠乏は、筋力低下や嘔吐、低血糖による昏睡など重篤な症状をもたらす。カルニチン欠乏症の治療薬として、錠剤、液剤および注射剤の各種レボカルニチン製剤が製造販売されているが、これらを使用する際にはカルニチン欠乏状態の検査が必要だ。

その一方で、先天性代謝異常症が強く疑われる患者に対するタンデムマス法を用いた血中カルニチン分析以外には、各種カルニチン欠乏症を診断するための承認済み検査薬はなく、早急な体外診断用医薬品の開発が求められていた。

(画像はwikiメディアより引用)

酵素サイクリング法で測定、研究用試薬から診断薬化

今回、承認を取得した総カルニチン測定試薬「T-Carnitine試薬 カイノス」と遊離カルニチン測定試薬「F-Carnitine試薬 カイノス」は、いずれも酵素サイクリング法を測定原理としたもの。カイノスが1993年5月から研究用試薬として販売していた、総カルニチンおよび遊離カルニチン定量試薬を診断薬化して開発した。

酵素サイクリング法は、酵素反応の生成物を増幅定量する高感度化手法で、カルニチン定量系はチオNADを利用するサイクリング系であり、酵素カルニチンデヒドロゲナーゼと、補酵素β-チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型およびβ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型の2種を用いているという。

この新規測定試薬は、タンデムマス法と良好な相関性を有するほか、汎用の自動分析装置を用いると約10分で総カルニチンと遊離カルニチンを定量することが可能となっており、カルニチン欠乏症の迅速な診断に寄与するものと期待されている。(紫音 裕)

▼外部リンク

株式会社カイノス プレスリリース
http://www.kainos.co.jp/IRinfo/PDF/

 

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