忘れっぽいなど記憶の衰えを実感している人は、その後アルツハイマー病や認知症にかかる人が多いという報告が複数あげられていることがわかりました。

（この画像はイメージです）

一つ目は、米国・ケンタッキー大学の関連病院を受診した、60歳以上の3,701人の男性に「この前来たときよりも、記憶能力が変化したと感じていますか？」と質問した結果を分析したものです。その結果、「忘れっぽいな」と感じていることは、アルツハイマー病の前兆かもしれないことがわかったのです。

同様の結果は、他の調査でも報告されています。

同じくケンタッキー大学では、平均年齢73歳の531人の人に対して、10年間にわたり毎年記憶の状態を答えてもらいました。記憶状態が変化したと考えている人たちの方が、認知症の診断を受けている割合がおよそ2倍と高くなっていました。

また、米国・ボストンの病院で、平均年齢73.5歳の健康な131人にPETスキャンを行ったところ、記憶が衰えているという訴えがあった人の方が、認知症に関連されるといわれるベータアミロイドの蓄積が多いことがわかりました。

認知症の症状としての、記憶障害と、単純な物忘れは異なるものです。もちろん、「忘れっぽいな」と感じていても、それが即、認知症につながるというわけではありません。とはいえ、専門家は、これらの結果から、記憶に衰えが現れたと感じたら、定期的に受診・検査を行うことで、アルツハイマー病や認知症の早期発見ができるかもしれないとしています。気のせいならそれはそれで構いません。心当たりのある人は、認知症や物忘れの専門の外来などを受診してみてはいかがでしょう。（唐土　ミツル）

▼外部リンク

If You Think You Have Alzheimer’s, You Might be Right, Study Suggests
http://uknow.uky.edu/content/

Self-reported memory problems could be an early indicator of brain changes linked to Alzheimer’s disease
http://www.alzheimers.org.uk/site/