■品切れ防止で対策会議も
指針は、厚生労働省が昨年に公表した「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」で、業界団体が策定することとされていたもの。日薬連では、ロードマップ対応プロジェクトを立ち上げ、ガイドラインの策定を進めてきた。全ての後発品の製造販売業者は、指針に準拠した「安定供給マニュアル」を作成、運用し、適切な需要予測に基づく原薬等の確保、製造・品質管理の徹底により、安定供給の責任を果たしていくことになる。
指針では、製造販売業者に対し、安定供給を管掌する役員相当の「安定供給管理責任者」、実務担当者の「安定供給責任者」の2人を置き、責任者を明確化するよう示した。
実務担当者の安定供給責任者には、「安定供給マニュアル」を制定し、管理責任者の承認を得ることのほか、安定供給に支障を来す恐れがある案件発生時には、緊急に対策会議を開き、品切れ発生をできる限り防ぎ、市場に対する影響を最小限に抑えるよう努めることを求めた。
安定供給マニュアルの作成に向けては、定めるべき手順を12種類の手順書に分類。ロードマップに記載された内容、これまで経験した品切れ事例を調査、分析し、その原因を取り除くための対策点に留意すべきとした。
手順書は、原薬の安定確保に関する手順、在庫管理に関する手順、品切れ等発生時の対応に関する手順など12種類を定めるべきとしている。
その中で、原薬の安定確保をめぐっては、十分な製造能力と品質保証体制を持ち、安定供給能力があることを確認すると共に、輸入する場合は、輸入業者と原薬等登録原簿(マスターファイル)の国内管理人の適格性を確認することなどを求めた。
製造所への製造管理、品質管理の確認は、原則実地によることとし、特に海外製造所への確認については、第三者調査機関等の活用も考慮するよう求めた。必要に応じ、原薬のダブルソース化の対応を図ることも留意点として示した。
生産管理をめぐって、新規発売品については十分な初期在庫量を確保し、必要に応じて追加製造できる体制整備を求めた。
また、安定供給に関連し、責任者が日頃から原薬や資材等の供給状況の把握に努め、それを評価し、必要な措置を講じることとした。
安定供給に支障を来す恐れがある場合は、責任者が対策会議を開催することを求め、会議の構成や社内の役割分担も予め定めておくよう示した。
品切れ発生時には、代替品等を含めた品切れに関する情報を迅速に医療機関、取引先に提供することとし、代替品の市場への供給に関しては、他社に連絡して協力要請すると共に、先発品の製造販売業者にも極力、協力を要請することを求めた。また、事前に厚労省医政局経済課に報告することにも留意すべきとした。
供給停止に当たっては、在庫がなくなるまで余裕の期間を持つこととし、供給停止予定品目で市場占有率が高い場合など、必要に応じて同一含量規格品を製造販売する他社へ事前に情報提供することに留意すべきとした。