薬価基準が改定されるのは合計1万5303品目。そのうち、不採算品目を理由に196品目が現行薬価から引き上げられる。
新薬創出等加算は、新たに厚生労働省の開発要請品目、公募品目の開発を行う企業が製造販売する品目、「真に医療の質向上に貢献する医薬品」の研究開発を行う企業が製造販売する品目の要件が新設され、これらを満たした758品目が加算対象となった。加算率の最高は4・94%、加算対象758品目のうち630品目(83・1%)で薬価が維持された。後発品のない先発品全体に占める加算対象品目の割合は、約37%となった。
新薬創出等加算の品目数が多かった製薬企業は、ファイザーがトップで55品目、前回までトップを維持していたグラクソ・スミスクライン(GSK)が47品目と続いた。さらに、ノバルティスファーマが36品目、ヤンセンファーマと中外製薬が35品目と、上位5社のうち外資系企業がほとんどを占めた。
これに対し、要件を満たさなくなった新薬で加算相当額を返還したのは105品目。そのうち、適応外薬等の開発要請を受けていない“ミスマッチ企業”の10品目が加算対象から外れた。
一方、今回の薬価改定では、後発品の初収載後の先発品に適用される特例引き下げを廃止し、5年経過後も後発品への置き換えが新指標の数量シェア60%に満たない先発品の特例引き下げ(Z2)を新たに導入する大きなルール変更が行われた。
新たな算定ルールを適用した特例引き下げは、合計1118品目が対象となった。後発品への置き換え率が20%未満の長期収載品で、2%の引き下げ対象となったのは361品目、20%以上40%未満で1・75%の引き下げ対象は432品目、40%以上60%未満で1・5%の引き下げ対象は325品目に上った。
市場拡大再算定は22品目に適用され、対象となったDPP‐4阻害剤の「ジャヌビア」「グラクティブ」は汎用規格で約10%、抗リウマチ剤の「レミケード」が約11%の引き下げ影響を受けた。
小児適応の効能追加、希少疾病の効能追加で加算対象となったのはそれぞれ21品目、6品目あったが、真の臨床的有用性の検証による加算対象品目はなかった。不採算品再算定では、ブドウ糖注射液、生理食塩液、生薬のソウジュツ、チョウコウトウなど196品目の薬価を引き上げる。
後発品の数量シェアは、昨年9月の薬価調査をもとにしたところ、新指標で46・9%となった。
表:薬価基準改定の概要