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九州大 神経障害性疼痛の慢性化にカテプシンSの働きが重要であることを解明

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2014年03月01日 AM10:00

中西博教授らの研究グループが明らかに

九州大学大学院歯学研究院の中西博教授らの研究グループは2月19日、マウスによる研究で、二次リンパ組織である脾臓における樹状細胞のリソソーム酵素カテプシンSの働きによる抗原特異的なCD4+T細胞の活性化が、神経障害性疼痛の慢性化に重要であることを明らかにした。

この研究は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業チーム型研究の一環として行われたもの。研究成果はアメリカの神経科学会誌「Journal of Neuroscience」にオンライン掲載されている。

(画像はプレスリリースより)

神経障害性疼痛治療薬開発への可能性提示

活性化したCD4+T細胞は、脊髄後角へ浸潤し、インターフェロン-γ(IFN-γ)を産生分泌し、ミクログリアの活性化をさらに深化させることが、疼痛の慢性状態への移行に極めて深く関わっていると示唆される。

研究では、野性型マウスは神経障害に伴い、2次リンパ組織である脾臓の肥大化が認められ、IFN-γを発現したCD4+T細胞(Th1 細胞)の増大が確認でき、脾臓に分布する樹状細胞において、カテプシンSが増大することが明らかとなったという。

一方、カテプシンS欠損マウスでは、これらの変化などは確認されず、神経障害性疼痛の維持・慢性期の疼痛が、有意に緩和することが認められたとしている。また、野生型マウスの脾臓摘出によっても、神経障害性疼痛の維持・慢性化が有意に抑制されたという。

プレスリリースでは

この研究成果は、神経障害性疼痛の慢性化メカニズムを理解するうえでの新たな知見を付け加えるとともに、カテプシンSを標的とした新しい神経障害性疼痛治療薬開発への可能性を提示するものです。(九州大学 プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

九州大学 プレスリリース
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/

Peripheral Role of Cathepsin S in Th1 Cell-Dependent Transition of Nerve Injury-Induced Acute Pain to a Chronic Pain State
http://www.jneurosci.org/content/34/8/3013

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