高い比表面積と尿毒素吸着能を合わせ
独立行政法人 物質・材料研究機構は2月19日、国際ナノアーキテクトニクス研究拠点生体機能材料ユニットの荏原充宏MANA研究者、滑川亘希博士研究員らが、血中の低分子尿毒素のひとつであるクレアチニンを選択的に除去可能な高性能ナノファイバーメッシュの開発に成功したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
今回、開発に成功したのは、クレアチニンを選択的に吸着できる細孔と性質をもつゼオライトを含有した生体適合性高分子ナノファイバーからなる不織布で、腕時計型のカートリッジに取り付けることができる。実験では、1時間で体内に蓄積するクレアチニン量(約50 mg)をファイバー25 gで除去できたという。また、ゼオライトの種類を変えたナノファイバーを製膜することで、様々な種類の尿毒素除去が期待できるとしている。
災害時などの処置を可能に
従来の透析治療は透析液を大量に使用し、電力や水、交通手段といったライフラインが寸断される災害時などに行うことは困難であった。プレスリリースでは
このナノファイバーは、電気や水などのライフラインが寸断された災害時において、慢性腎不全患者を応急処置可能な携帯型“透析”システムの開発への道を開く新材料です。(独立行政法人 物質・材料研究機構 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
独立行政法人物質・材料研究機構 プレスリリース
http://www.nims.go.jp/news/press/2014/