発端はケンコーコムからのFAX
公益社団法人 神奈川県薬剤師会は2月19日、同5日に神奈川県下の薬局へ一斉にファクシミリで送付された文書についての疑義照会文書をケンコーコム株式会社に送付したと発表した。
なお、同5日に送付された文書の内容は、患者がWEBサイトなどから処方箋を調剤薬局へ事前にFAX送信できる「ヨヤクスリ」という新サービスに関するもの。同文書には、ケンコーコムの社名とファクシミリ番号、メールアドレスは記載されているものの、担当部署・発信者名・電話番号・社印などは記載されておらず、ケンコーコム株式会社が実際に送付したものかどうかは、今のところ明らかになっていない。
(この画像はイメージです)
「患者情報の保護」の観点
神奈川県薬剤師会は疑義照会文書の中で、「ヨヤクスリ」を経て集められた個人情報の取り扱い・利用方法について懸念を示している。また、患者が「ヨヤクスリ」のサイトに会員登録する際に、利用規約やプライバシー・ポリシーを確認せずに登録できる点も問題だと指摘する。
処方せんの内容は極めて個人的で重要な情報であり、その取り扱いおよび利用方法については患者の十分な理解を得るべきというのが薬剤師会の主張だ。
調剤現場に戸惑いの声
「ヨヤクスリ」のサービス開始は、利用者側から見れば待ち時間が短縮されるなどの利点があるが、「ヨヤクスリ」の登録にあたって薬局側に事前の説明・照会がなかったために、調剤現場からは戸惑いの声が上がっているようだ。
神奈川県薬剤師会は、患者へのサービスの徹底をはかるため、「ヨヤクスリ」への薬局の掲載は、掲載を希望する薬局のみに限定することを求めている。(鈴木ミホ)
▼外部リンク
公益社団法人 神奈川県薬剤師会 プレスリリース
http://www.kpa.or.jp/news-for-all/