開発優先度の高いノロウイルスワクチンに関し、共同研究契約の締結を発表
第一三共株式会社と株式会社UMNファーマは2月14日、ノロウイルスワクチンの共同研究契約を締結したと発表した。昨年12月の厚生科学審議会「予防接種・ワクチン分科会」において、開発優先度の高いワクチンのひとつに選定されたノロウイルスワクチンの開発を目指すという。
感染性胃腸炎の主要な原因ウイルスであるノロウイルスは昨今、国内外における感染報告が増加している。全世界では、毎年約20万人がなくなるといわれるほか、先進国では死亡に至るケースは少ないものの、その医療経済的損失は甚大であるとされる。院内感染などの報告も少なくなく、ワクチンによる予防のニーズは高い。しかしながら、現段階では上市されている予防ワクチンは存在せず、早期の開発が望まれるところだ。
(画像はwikiメディアより引用)
基礎共同研究を実施の上、本格的な開発協議へと進める予定
今回締結した契約に基づき、UMNファーマでは、同社がもつ独自の製造プラットフォームである、バキュロウイルスに目的遺伝子を組み込み、昆虫細胞に感染させて目的タンパクを製造するBaculovirus Expression Vector System(BEVS)を活かし、組換えノロウイルスVLP抗原を作製、第一三共に提供する。
一方の第一三共は、このVLP抗原の提供を受け、新規投与デバイスを用いたノロウイルスワクチンの開発可能性を確認することを目的に、基礎研究を行うとしている。
こうした基礎的な共同研究の結果、一定の評価基準を満たしたと判断された場合、新規予防ワクチンの開発に向け、本格的な協議を開始する予定という。なお、UMNファーマはこの契約期間中、第一三共に対しノロウイルスVLP抗原を独占的に供給するとともに、さらなる提携について独占的な交渉権を与えるとされている。(紫音 裕)
▼外部リンク
第一三共株式会社 ニュースリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/
株式会社UMNファーマ 発表資料
http://ir.umnpharma.com/ja/irnews/