ドイツのマックスデルブリュック分子医学研究所と共同で
大阪大学蛋白質研究所の高木淳一教授ら研究グループは2月13日、脳内の膜たんぱく質sorLA(ソーラ)がアルツハイマー病などの神経変性疾患を発症させる原因と考えられているAβペプチドの蓄積を防ぎ、アルツハイマー病になるリスクを軽減することを明らかにしたと発表した。
(画像はプレスリリースより)
この研究は、ドイツのマックスデルブリュック分子医学研究所と共同で行われ、成果はアメリカの科学誌「Science Translational Medicine」に2月12日付けで掲載された。
膜たんぱく質sorLAは神経ニューロンに存在
sorLAはコレステロールの細胞内への取り込みに関与するリポタンパク質受容体と近縁の膜たんぱく質で、神経ニューロンに存在する。アルツハイマー病の患者の脳においてsorLAの量が健常者よりも少ないという報告はされており、アルツハイマー病発症のリスクに関連があることは示唆されていたが、sorLAがどのようにアルツハイマー病発症やその重篤化に関わるのかは不明であった。
プレスリリースでは
この成果は我々の脳に神経変性疾患に対する自衛策がもともと備わっていることを示しただけでなく、アルツハイマー病の治療と予防のための新しい「作用点」を発見したものとして注目されます。(大阪大学 プレスリリースより引用)
と述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
大阪大学 プレスリリース
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2014/