日本薬剤師会の次期会長候補選挙を直前に控えた19日、児玉孝現会長と山本信夫東京都薬剤師会会長の両候補者が揃っての共同記者会見を開いた。山本氏は「組織のリニューアルを目指して薬剤師のために仕事をしていきたい」と、現日薬組織の改革を進めたいとの抱負を語った。これに対し児玉氏は「いま薬局・薬剤師が問題になっている。6月末をメドに薬局のグランドデザイン(仮)を創っている。何をすべきか具体的に示していく」と、継続性をアピールした。
最近の分業バッシングへの対応に関し、山本氏は「世界中、どこの国でもその仕組みを作りたいと考えている。薬剤師のパフォーマンスが趣旨、社会ニーズに合っていなければ、(医薬分業)制度の問題ではなく、薬剤師自身の問題。地域の方、患者・社会のニーズに一つひとつ応えていくことが信頼される手段。それが見えるように仕事をしたい」とした。
児玉氏は「患者、国民からの理解が少ないから、こうなっている。最後は薬剤師に親切にしてもらったというようなことが大事。また、医療関係者からも役に立つのかと言われているが、安全性の担保などメリットを示すことがポイント」とエビデンス作りの重要性を指摘した。
会館建設に関して児玉氏は「総会の総意を尊重することは当然。その中で会員研修や全国会議ができる場所が求められている」とし、90坪より定借の土地を含めた190坪という土地の広さに固執。「将来的には財産化される可能性はある」ともした。
一方、山本氏は「会館建設は私にとっても夢。しかし、家賃の資産化が(議論の)スタートであり、定期借地権は次世代への負担が大き過ぎる」として、定借利用には反対の意向を改めて示した。
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