今年の冬は、記録的な雪も降った寒さの厳しい季節となりました。暦の上では春と言っても、実際にはまだまだ寒い日が続くこの時期、骨折には十分注意したいものです。と言うのも、寒い時期は手首の骨折のリスクが、なんと他の季節の20%も高くなるのです。
(この画像はイメージです)
これは、アメリカで65歳以上のお年寄りの統計を元にUniversity of Michigan Medical SchoolのKevin C. Chung博士ら研究グループが計算した値です。原因は、他でもありません。凍り付いた道などで、滑って転倒してしまうことです。
分析では、気温や降雨量、降雪量などを元に、滑りやすさの最大スコアを7とする、0から7の8段階で表しました。そして、滑りやすさのスコアと、実際に骨折している人数の関係を突き止めたのです。滑りやすさのレベル4を超えると、手首の骨折のリスクが21%となります。更に、最も滑りやすいスコア7の日では、このリスクは40%にまでアップするのです。
この数値を導き出した専門家は、このリスクの高さをしっかりと認識し、気温が下がって道が凍り付かない昼間の時間に用事を済ませたり、両手に荷物を持つなど転んだときに怪我のリスクが上がるような行動を慎んだり、といった予防策をとることが大切だと指摘しています。
統計はお年寄りを対象にしていますが、仕事や学校があって、雪が降ったり道が凍ったりしていても出かけなければならない若い世代も、気をつけなければいけないことは、言うまでもありません。
春まで、あともう少し。事故がないよう、十分に気をつけてお過ごしください。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Variation in the Incidence of Distal Radius Fractures in the U.S. Elderly as Related to Slippery Weather Conditions
http://journals.lww.com/plasreconsurg/pages/