治療対象部位の拡大、臨床研究の推進へ
大阪大学医学部附属病院は、サイバーナイフシステムの第4世代である放射線治療機器「サイバーナイフ ラジオサージェリーシステム」の設置が完了。同機器を使用した治療を2014年1月から開始した。
体幹部定位放射線治療(Stereotactic Body Radiation Therapy:SBRT)を行う「サイバーナイフ ラジオサージェリーシステム」は、頭蓋内・頭頸部に加えて体幹部病変にも対応。さらに、呼吸追尾システム「Synchrony(R) 呼吸追尾システム」も搭載し、照射ターゲットを 高精度で捉え有効線量を照射することが可能となり、重要臓器や正常組織に隣接した腫瘍の治療も可能にしている。同病院では、サイバーナイフによる治療が1998年から開始されているが、今回は最新の第4世代サイバーナイフシステムへの変更となっている。
(サイバーナイフ ラジオサージェリーシステム(第4世代):提供画像)
現場の医師からも高い期待
同病院放射線治療学講座の小川和彦教授は「より質の高い放射線治療を提供するために、当科は大阪府の中核となるばかりでなく、全国でもトップレベルの放射線治療科となるべく診療の向上に努めております。サイバーナイフの新機種導入によって症例数を積み重ね、より高い治療効果を上げるための研究にも取り組みたいと考えています」とコメントしたほか、同講座の吉岡靖生准教授も「呼吸の動きに対応する追尾機能が強化されたことにより、サイバーナイフによる体幹部治療が当院でも開始されます。従来から治療を行っていた部位に加えて、肺、肝 臓、前立腺へと治療部位を拡げる予定です。また、線量率が前世代の2倍になったことにより治療時間の短縮化も期待しています」と期待を寄せている。(QLifePro編集部)
▼外部リンク
大阪大学医学部附属病院
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日本アキュレイ株式会社
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