東京大学酒井教授らによる共同研究で
独立行政法人科学技術振興機構(JST)は2月11日、東京大学大学院 総合文化研究科の酒井邦嘉教授、昭和大学横浜市北部病院の金野竜太講師、東京女子医科大学 先端生命医科学研究所の村垣善浩教授らが共同で、言語の文法処理を支える3つの神経回路を初めて発見し、言語障害の1つである文法障害に伴う脳活動の変化を解明したと発表した。同研究成果は、英国科学誌「Brain」オンライン版に現地時間2月11日付で公開されている。
(画像はプレスリリースより)
小脳を含む広範なネットワークを形成
同研究グループは、左前頭葉の脳腫瘍患者21名と健常者のべ49名に日本語の文法能力をテストし、詳細に調べることで、左前頭葉に脳腫瘍がある患者の脳の構造と機能について、脳腫瘍の部位により異なるタイプの言語障害(特に文法障害)が生じることを明らかにした。また、言語の文法処理を支える神経回路が3つ存在し、大脳の左右半球と小脳を含む広範なネットワークを形成するということが初めて明らかになったという。(小林 周)
▼外部リンク
独立行政法人科学技術振興機構 プレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140211/
Differential reorganization of three syntax-related networks induced by a left frontal glioma
http://brain.oxfordjournals.org/content/early/2014/