生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド
アボット バスキュラー ジャパン株式会社は2月12日、冠動脈疾患(CAD)の治療を目的とし開発中の生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)に関し、国内で実施している無作為化比較試験において予定していた症例登録を完了したと発表した。同臨床試験の結果は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)への承認申請に用いられる予定である。
同社のBVSは、網目状のチューブ形になっており、閉塞した血管を拡げることで心臓への血流を回復させるため用いられる。従来品は、体内に永久的に留置物が残ったが、今回のBVSは、留置後体内で分解され消失するという。
(画像はwikiメディアより引用)
試験の概要と、世界での販売承認状況
同試験は、同社の金属製薬剤溶出ステントであるXIENCE(R)シリーズと同社BVSを比較する無作為化、多施設共同試験で、400例の被験者が登録された。主要評価項目は、12ヵ月経過観察時におけるTLFで、標的血管起因の心臓死、心筋梗塞(TV-MI)、及び虚血性標的病変血行再建(ID-TLR)の複合評価項目によりBVSの有効性及び安全性が評価されたという。
なお、欧州をはじめ、CEマークが有効な中東、中南米の一部、インド、香港、マレーシア、ニュージーランドを含むアジア太平洋諸国の一部においてBVSの市販は承認されているが、米国、日本では、BVSは開発中のデバイスであるため、現在市販はまだされていないという。(堤朝子)
▼外部リンク
アボット バスキュラー ジャパン株式会社 プレスリリース
http://www.abbott.co.jp/press/2014/