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項目で実現状況にばらつき―“薬局のあるべき姿”調査、吉山氏が速報を報告

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2014年02月19日 AM09:45

北里大学薬学部の吉山友二氏は16日、都内で講演し、1月に公表された「薬局の求められる機能とあるべき姿」で、在宅医療提供薬局を推進するために新たに設定した基準の妥当性を評価するため、全国約500薬局を対象に実施しているアンケート調査の速報を示した。体制整備に関する項目については、多くの薬局がクリアできていたものの、在宅医療への積極的な取り組みや、後発品の使用促進(新指標で数量シェア60%以上)などの項目については、約5割の薬局が実現できていないなど、項目によってばらつきがあることが分かった。

吉山氏は、厚生労働科学研究費補助金事業「薬剤師が担うチーム医療と地域医療の調査とアウトカムの評価研究」(研究代表者:安原眞人氏・東京医科歯科大学病院薬剤部)で、在宅医療・かかりつけ薬局の分担研究者として、かかりつけ薬局の機能を持った在宅医療提供薬局の新たな基準となる“あるべき姿”の取りまとめに中心的な役割を担った。

報告書の策定に当たっては、有識者へヒアリング調査を行うと共に、日本医療薬学会のホームページを通じて意見を募集した。寄せられた意見に基づいて修正を加えるなどの作業を行っている。

しかし、新基準の妥当性を評価するためには、「現場の薬剤師の目線でどうなのか、無理のない姿なのかなどを把握する必要がある」(吉山氏)ため、各項目の実現状況に関するアンケート調査を行ったと説明した。

報告書は、「薬局が備えるべき基本的体制」と「薬局における薬物療法(薬学的管理)の実施」の2本柱で構成。「備えるべき体制」では、休日・夜間の対応をはじめ、医療・衛生材料や、第1類薬を含む一般薬の販売、フィジカルアセスメントを含めた能力向上のための生涯学習に積極的に取り組むことなどを求めている。

吉山氏は、これらの項目については「一部で実現状況が低い項目があるものの、ほぼ全ての調査項目において多くの薬局が実現していることが分かってきた」とした。

「薬物療法」に関しては、在宅医療への積極的な関与のほか、残薬の確認やそれに伴う調剤量の調整、一般薬販売時の適切な患者情報収集や情報提供、後発品の使用促進への取り組みを促すと共に、健康相談窓口を設けるなどの健康情報拠点としての役割を求めている。

吉山氏は、残薬確認や一般薬の適切な情報提供などの薬学的管理については、「実現している薬局が多くを占めている」としたものの、在宅医療への取り組みや後発品の使用促進については、「実現していると回答する薬局が5割を下回るなど、調査項目ごとに実現状況にばらつきが見られた」と述べた。

アンケートの調査結果は、3月中に公表する方向で作業を進めているという。

吉山氏は、厚労省が14年度予算案で2億4000万円を計上し、かかりつけ薬局機能の強化のための取り組みの一環として、都道府県を対象とした「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進事業」を進めることなどに言及し、「項目の中には、今すぐには無理というものもあるかもしれないが、推進していくという意気込みでお願いしたい」と述べ、“あるべき姿”が設定した新基準の実践を求めた。

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