携帯メールは、私たちの生活にとって、すでに欠かせないコミュニケーションツールになっています。歩いているときにも、着信があるとその場でメールを読むという人、そして場合によっては返信する、という人も多いでしょう。歩きながらの携帯メール利用は危ないのではないか、というイメージはあるものの、便利さに負けてあまり気にかけていないというのが本当のところです。
(この画像はイメージです)
オーストラリア・クイーンズランド大学のSiobhan M. Schabrun氏ら研究グループが行った調査では、26人の参加者に、8.5メートルの距離を「電話を持たないで歩く」「メールを読みながら歩く」「メールを打ちながら歩く」で歩いてもらい、ライフスタイルや安全にどのような影響が出ているかを追跡しました。
メールを読んだり打ったりしながら歩いた場合は、電話を持っていないときに比べて、脚を出すときの水平方向の振れ幅が小さくなっていました。また、歩く速度は遅くなり、首を曲げた状態がより強調されていました。
歩幅や脚の動きに変化が生じることで、障害物をよけたり、安定した歩行を保ったりすることができなくなることもあります。実際に、26人中9人が、過去に携帯メールを読んだり、打ったりしながら歩いているときに、転んだり、他の人にぶつかったりというエピソードを持っていることが分かりました。
首を曲げたままでいることも、脊髄の湾曲に影響するために、歩行そのものにも影響する上に、視野が狭まるというリスクも懸念されています。
とても便利な携帯メールですが、安全や健康面にも気をつかいながら、上手に利用したいものですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Texting and Walking: Strategies for Postural Control and Implications for Safety
http://www.plosone.org/article/