二重阻害薬「VS-5584」
米Verastem社は現地時間2月4日、日本において、同社のmTORC1/2及びPI3K低分子二重阻害薬であるVS-5584に特許が付与されたと発表した。VS-5584はクラス1PI3K酵素に対して強力かつ選択的な機序をもち、またmTORC1、mTORC2経路を阻害する効果がある経口化合物である。現在同剤に関しては、固形腫瘍とリンパ腫の患者を対象とした第1相試験が実施されているという。
PI3K/mTORシグナル伝達経路は、がん幹細胞が増殖し、生存するために必須の反応経路で、同剤はこれらの強力な二重阻害薬である。mTORC1/2及びPI3Kの二重阻害は、がん幹細胞を選択的に死滅させる事が、同社のインビトロにおけるがん幹細胞のスクリーニング・プラットフォーム、そして複数のヒトにおけるがんのインビボモデルの試験でも確認されているという。同剤はトリプルネガティブ(三重陰性)の乳がん、小細胞肺がん及び卵巣がんのそれぞれ複数の研究モデルにおいて、がん幹細胞を減らす効果を持つ事が確認されている。
(画像はwikiメディアより引用)
接着班キナーゼ(FAK)阻害剤VS-6063も開発
VS-5584の特許獲得の他に、同社は日本国内で接着班キナーゼ(FAK)阻害剤VS-6063の開発にも力を入れているとされる。VS-6063について、現在、固形腫瘍を持つ日本人患者を対象とした第1相試験が実施されており、日本人患者に対する安全性評価、薬物動態及び薬力学を解析するという。
さらに同社は年度内に世界11ヶ国で現在実施されている悪性中皮腫の患者を対症としたVS-6063のグローバル臨床試験・COMMAND研究を支援する日本国内の臨床試験を開始する事を目標としている。(堤朝子)
▼外部リンク
QLifePro メディカルプレスセンター
https://www.qlifepro.com/press/20140205-09-5335/
VERASTEM ISSUED JAPANESE PATENT ON DUAL MTORC1/2 AND PI3K INHIBITOR VS-5584
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml