難治疾患研究所・分子薬理学分野の野田教授ら
東京医科歯科大学は2月4日、難治疾患研究所・分子薬理学分野の野田政樹教授、江面陽一准教授、同大大学院顎顔面矯正学分野の森山啓司教授の研究グループらが、沖縄科学技術大学院大学の山本雅教授グループとの共同研究で、加齢による骨粗しょう症の病態に重要な役割を果たす遺伝子を特定したことを発表した。
(画像はプレスリリースより)
Cnot3が骨量低下抑える
研究チームはメッセンジャーRNAの分解を促進する分子のひとつであるCnot3に着目し、加齢性骨粗しょう症へのCnot3欠失の影響を調査した。高齢動物と若齢動物を比較した結果、高齢化に伴い骨におけるCnot3の発現量が1/3に低下していることがわかった。免疫蛍光顕微鏡によって観察したところ、Cnot3の働きは転写の制御よりも転写後のmRNA安定性の制御に関わることが示されたという。
破骨細胞の形成機能を促進させる遺伝子としてRANKのメッセンジャーRNAの分解を検討した結果、Cnot3の欠失によりRANK遺伝子のメッセンジャーRNAの分解が抑制されることが判明。これによりCnot3がRANK遺伝子の発現を抑制することで、加齢による骨量低下を抑えていることが示され、この遺伝子が加齢による骨量減少を内因性に抑制する機能を持つことを発見したとしている。(小林 周)
▼外部リンク
東京医科歯科大学 プレスリリース
http://www.tmd.ac.jp/press-release/