医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 京大 体温恒常性維持のメカニズムを解明

京大 体温恒常性維持のメカニズムを解明

読了時間:約 1分10秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2014年02月14日 PM08:15

西英一郎特定准教授らの研究グループにより

京都大学は2月4日、同大医学部附属病院 循環器内科の西英一郎特定准教授らの研究グループが、体温恒常性維持のメカニズムの解明に成功したことを発表した。

(画像はプレスリリースより)

体温恒常性維持にはナルディライジンが必須

研究グループは、ナルディライジンが欠損したマウス(Nrd1-/-マウス)を作製して体温を測定したところ、野生型マウスより1.5度低いことがわかった。さらに、野生型マウスは4度の寒冷環境でも体温をほぼ一定に保つことができるが、Nrd1-/-マウスは2時間後には30度以下、3時間後には15度以下に低下してしまうという。また、Nrd1-/-マウスは野生型マウスよりも激しくふるえることから、寒さの感知とふるえ熱産生には問題がないことが示唆された。

主要な非ふるえ熱産生臓器であるBATを調べ詳細な検討を行った結果、Nrd1-/-マウスは常温での熱産生が亢進しており、体温維持のため野生型マウスより多くのエネルギー(熱産生)を必要としていること、そのためBAT熱産生がピークに達しており、アドレナリン投与によっても追加熱産生ができないことがわかったという。

主要な非ふるえ熱産生臓器であるBATを調べ詳細な検討を行った結果、Nrd1-/-マウスは常温での熱産生が亢進しており、体温維持のため野生型マウスより多くのエネルギー(熱産生)を必要としていること、そのためBAT熱産生がピークに達しており、アドレナリン投与によっても追加熱産生ができないことがわかったという。

今後、熱代謝形態の研究が進むことにより、低体温症への新たな対処方法、致死的な脳あるいは心筋障害を持つ患者に対して行われる低体温療法への応用などが期待できるという。(小林 周)

▼外部リンク

京都大学 プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2013_1/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 「働きすぎの医師」を精神運動覚醒テストにより評価する新手法を確立-順大ほか
  • 自己免疫疾患の発症、病原性CD4 T細胞に発現のマイクロRNAが関与-NIBIOHNほか
  • 重症薬疹のTEN、空間プロテオミクス解析でJAK阻害剤が有効と判明-新潟大ほか
  • トリプルネガティブ乳がん、新規治療標的分子ZCCHC24を同定-科学大ほか
  • トイレは「ふた閉め洗浄」でもエアロゾルは漏れる、その飛距離が判明-産総研ほか