脳内の物質が血液中に
スウェーデンで行われた調査によって、一晩でも徹夜すると、脳に存在する物質が血液中に流れ出してしまうことが分かりました。
(この画像はイメージです)
調査対象となったのは、15人の成人男性です。22:30から翌朝6:30まで睡眠を取ってもらった時、そして一晩徹夜した時、それぞれの場合で、翌朝の血液検査を行い、変化が生じるかどうかを観察しました。
たった一晩で20%もアップ!
すると、睡眠を取らなかった時では、タンパク質の一種とされるNSEとS-100Bという物質の濃度がおよそ20%高くなっていたそうです。この二つの物質は、本来は脳内のニューロンやグリア細胞の細胞質で観察されるものとされています。血液中にこの物質が高くなるということは、脳細胞にダメージがあったことを意味するのです。
この実験結果から、睡眠をしっかりと取ることは、脳細胞をダメージから守ることにつながると解釈されました。
忙しいから、とにかく今夜だけ徹夜すれば片付く、という仕事を抱えている人も多いものですが、脳が悲鳴を上げている状態だったのですね。睡眠をしっかりと取って、脳の健康を守りたいものです。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Acute Sleep Deprivation Increases Serum Levels of Neuron-Specific Enolase (NSE) and S100 Calcium Binding Protein B (S-100B) in Healthy Young Men
http://www.journalsleep.org/ViewAbstract