心の健康を害している女性は、パートナーによるDVの対象になりやすいという心配な報告が、カナダのWomen’s College Hospitalから発表されました。
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今回、調査の対象となったのは、過去5年以内に配偶者や恋人などのパートナーがいたとする、6,851人の女性です。このうち、メンタルヘルスの問題により、日常生活に影響を受けている人が、4.7%いました。
この人達の間で、病気のために活動にいつも、または頻繁に制限があると答えた人の54.4%が、パートナーからの暴力を経験していることが分かりました。また、時々活動に制限があるとした人で、パートナーからの暴力の経験は49.9%、活動に制限がない人たちでは18.3%でした。
心の健康を害している女性の間では、差別を受けていると感じていたり、身近な人との信頼関係のレベルが低いといった特徴も、この調査から明らかになりました。また、病気のために活動が制限されているという人では、収入が低いことが多く、経済的な問題も抱えていることが分かりました。
この調査を行った専門家は、心の健康を害している女性は、社会から孤立していることも多く、パートナーからの暴力を受けるリスクが高いにもかかわらず、表面化しない可能性も指摘しています。
DVの犠牲になることで、心の病気を更に悪化させることは想像に難くありません。身近に、心の健康を害している女性がいる場合は、口には出せない悩みを抱えて、悪循環に陥っていないか、周りの人たちが気遣う必要があると言えるでしょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Intimate partner violence among women with mental health-related activity limitations: a Canadian population based study
http://www.biomedcentral.com/1471-2458/14/51