聞こえが悪くなった耳を積極的に活用
自然科学研究機構 生理学研究所は1月29日、同研究所の岡本秀彦特任准教授、柿木隆介教授と他の研究グループが共同で、突発性難聴を発症した患者に聞こえが悪くなった耳を積極的に活用してもらうリハビリテーション療法により、聴力が回復することを明らかにしたと発表した。この結果は、サイエンティフィック・リポーツ誌(Scientific Reports)に1月29日付で掲載されている。
(画像はプレスリリースより)
研究グループは、突発性難聴患者の正常な耳を耳栓でふさぎ、聞こえにくくしたうえで音楽を聞かせた。こうすることによって、難聴になった方の耳に音楽をたくさん聞かせ、難聴の耳とそれに対応する脳部位の神経活動の活性化を試みた。
ステロイド単独療法患者より良く回復
その結果、22名の突発性難聴患者に、通常のステロイド療法に加え、この病側耳集中音響療法を試みた結果、31名のステロイド単独療法の患者と比較して良く回復したという。
また、病側耳集中音響療法を受けた6名の脳の反応を生体磁気計測装置MEG(magnetoencephalography)を使い記録したところ、健常の人と同様に脳活動の左右差が認められたとしている。(小林 周)
▼外部リンク
自然科学研究機構 生理学研究所 プレスリリース
http://www.nips.ac.jp/contents/release/
Constraint-induced sound therapy for sudden sensorineural hearing loss – behavioral and neurophysiological outcomes
http://www.nature.com/srep/2014/140129/