児玉、山本両氏は立候補届出に先立ち、それぞれに会見を開いているが、児玉氏は6日の会見で「以前から3期が一つの区切りだと思っていたが、会長職をずっとやってきて具体的に何をすべきか分かっている。何とか厳しい状況を打破したい。非常に危機感を持っており、いま会員を見捨てるわけにはいかないと思っている。今後、2年間で具体的に行動し、会員、将来の薬剤師のために頑張りたい」と再選に向けて考えを語っている。
さらに3期を振り返り、「会員に対し、こうすべきということを浸透させられなかった。国民に対しても医薬分業の意義が伝わっておらず、薬剤師職能へも理解がされてない。大変難しいが、従来の手法を変える必要がある。これまでの経験を踏まえマスコミとの関係をフルに使って、分業が役に立つことを広報していく必要がある」とし、広報戦略の充実を図ると共に、薬局グランドデザインを提示し会員をリードしたとの意向を示した。
一方の山本氏は1月末の会見で「東京都や関東ブロック、また多くの人たちから励ましの言葉をいただき、むしろ背中を押される形で出馬を決めた。出る以上は(薬剤師にとって)今より良い環境を作りたい。ぜひ、その方向に持っていきたい」と立候補を表明。
また、「改革とまでは言わないが役員、会員にとっても、分かりやすい議論ができることが大事。納得でき、合意できる会務運営をしたい。スピード感があっても、ものが進まないのでは意味がない。会長としての思いは一本通した上で、今この時期、何に最初に手をつけるべきか検討した後は、きちんと動く」と述べ、現体制とは異なる運営方針を目指す意向を示している。
いずれにしても分業バッシングの嵐、医薬品販売制度に関しても連敗続きの中、近未来的には地域薬局による在宅医療・介護への積極的な関与体制の確立、調剤に頼り切らない健康(情報)ステーションとしての薬局業務の変革と共に、絶え間ない資質向上推進体制の構築など、短期~中長期的な課題が山積している。
それだけに国民の負託に十分に応える薬剤師らしい仕事ができる環境・体制づくりを託せるリーダーの選出に当たっては、代議員の責任は大きい。