睡眠医療に関わる多くの専門家が携わり作成
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は1月24日、同センターの三島和夫部長らの研究グループが、睡眠医療および睡眠研究の推進を目的とした集約型プラットフォーム(睡眠医療および睡眠研究用プラットフォーム Research Platform for Advanced Sleep Medicine; 略称PASM)を開発、完成したと発表した。
(画像はプレスリリースより)
PASMは、睡眠医療の質の向上と睡眠障害の臨床・基盤研究の促進を目的として構築された集約型オンラインシステム。精神・神経疾患研究開発費事業および厚生労働科学研究事業の研究成果をもとに、作成には睡眠医療に関わる全国の代表的な大学、研究機関、医療施設等の専門家が携わったという。
3つのモジュールから構成
PASMは第一モジュール(自己診断システム)、第二モジュール(臨床支援システム)、および第三モジュール(データバンクシステム)の3つのモジュールから構成される。第一モジュール(自己診断システム)は一般の人に公開されている。悩んでいる自覚症状についての質問に答えていくことで、罹患している可能性がある睡眠障害疾患がオンライン診断され、診断レポートはPDF等で保存・印刷でき、医療機関に受診する際の資料として使用できるという。
第二モジュール(臨床支援システム)はID登録した医療機関の医師や通院中の患者が利用できるシステム。第三モジュール(バイオバンクシステム)は、研究に同意した患者を対象として、提供された臨床データやバイオリソース(DNA、RNA、血液など)を連結可能匿名化してバンキングするシステムになっている。
今後の睡眠医療には、高い診断制度と臨床データの解析技術が求められる。PASMを有効活用することで、睡眠障害の早期発見、睡眠医療の向上、さらには睡眠障害の臨床および基盤研究が進展することが期待される。(小林 周)
▼外部リンク
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター プレスリリース
http://www.ncnp.go.jp/press/
睡眠医療および睡眠研究用プラットフォーム ホームページ
http://sleepmed.jp/platform/