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非定型抗精神病薬ルラシドンに関するCHMPの審査結果が明らかに

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2014年02月04日 PM06:00

承認推奨の見解示す

大日本住友製薬株式会社と武田薬品工業株式会社は1月27日、非定型抗精神病薬のルラシドン塩酸塩(一般名。以下、)について、欧州医薬品評価委員会(CHMP)による審査結果を受け取ったことを発表した。それによると、CHMPは承認を推奨するとの見解を示しており、欧州医薬品庁(EMA)における承認へ順調に進むものと見込まれる。

ルラシドンは、大日本住友製薬が創製した独自の化学構造をもつ新規非定型抗精神病薬。ドーパミン-2、セロトニン-2A、セロトニン-7受容体に親和性を示し、アンタゴニストとして作用する。また、セロトニン-1A受容体にはパーシャルアゴニストとして働く。一方、ヒスタミンとムスカリン受容体に対しては、ほとんど親和性を示さないという特徴がある。

1日1回投与の経口剤で、これまでにスイス、米国、およびカナダで承認が取得されおり、販売が行われている。欧州においては、武田薬品工業が2012年9月に欧州医薬品庁に統合失調症を適応症とした販売許可申請を提出、同年10月に受理されている。

(この画像はイメージです)

代謝系への影響は限定的、良好な忍容性で有効な治療薬として期待

CHMPによる承認を推奨するとの見解は、プラセボおよび他の非定型抗精神病薬を用いて実施されたルラシドンの包括的臨床試験プログラムの成績に基づいている。臨床試験において、ルラシドン投与群は、6週間以上にわたり、急性期の統合失調症患者の陽性症状および陰性症状に対する有効性を示したという。また、代謝系への影響も限定的で、長期にわたる治療が必要な統合失調症患者において課題となる副作用を最小限に抑えることができる可能性が示された。

ルラシドン投与群においては、総じて良好な忍容性が示され、体重や脂質、血糖値といった要素への影響も限定的なものであったという。臨床試験において、ルラシドン投与群で、発現率が5%以上かつ、その発現頻度はプラセボ投与群の2倍以上と確認された主な有害事象は、眠気、アカシジア、悪心、パーキンソニズムおよびジストニアとなっている。

2013年に開催された欧州精神神経薬理学会においても、このルラシドンのデータが発表され、ルラシドンは良好な安全性プロファイルを有すること、統合失調症患者の治療において、既存治療薬から変更して用いる場合にも、良好な忍容性を示すものであることなどが示され、有効な治療オプションとなりうることが示唆された。

以上のことから、有効性、忍容性が高く、代謝系に悪影響を及ぼしにくい薬剤として、注目される抗精神病薬といえる。日本国内においては、大日本住友製薬が統合失調症に対する承認取得を目指し、第3相臨床試験を実施しているほか、双極1型障害うつおよび双極性障害メンテナンスについても、2013年9月より第3相臨床試験を開始している。(紫音 裕)

▼外部リンク

大日本住友製薬株式会社/武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=565

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