第22回欧州精神科学会議で発表予定
大塚ホールディングス株式会社は1月24日、同社の100%子会社である大塚製薬株式会社が、H. ルンドべック A/S(以下、ルンドべック社)と開発中の「ブレクスピプラゾール」(英語名:Brexpiprazole、開発コード:OPC-34712)について、同剤の大うつ病に対する試験結果を、ドイツ・ミュンヘンで開催される第22回欧州精神科学会議(EPA2014)で発表することを明らかにした。
大塚製薬とルンドべック社は、現在複数の適応症でブレクスピプラゾールの臨床開発を進めている。EPA2014で発表するのは大うつ病の最初のフェーズ3試験結果で、3月2日にポスターセッションで行う予定という。
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ランダム化プラセボコントロール試験、統計的に有意な改善を記録
ブレクスピプラゾールは、大塚製薬が創製した新規化合物。ルンドべック社とともに、既存の大うつ病補助療法に比べて、優れた有効性と忍容性を発揮する精神疾患治療薬となることを目指し、共同開発を進めている。ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体に結合し、パーシャル・アゴニストとして働くほか、セロトニン受容体5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働くという特性をもっているという。
同学会にてその結果が発表される試験は、379名の大うつ病の患者に対し、抗うつ薬の補助療法としたブレクスピプラゾールの効果を検証するもので、ランダム化プラセボコントロール試験で実施された。
現段階で公開されている試験結果の概要によると、プラセボと比較し、主要評価項目とされた大うつ病の症状の程度を評価する尺度であるMADRS(Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)合計スコアの平均値は、統計的に有意に改善したという。また副次的評価項目においても、すべてプラセボに比べ、統計的有意な改善を確認している。
ブレクスピプラゾールを服薬した患者でみられた主な副作用は、体重増加、アカシジアであり、試験を中断することなく完了できた患者の割合は90%以上であったとされている。(紫音 裕)
▼外部リンク
大塚ホールディングス株式会社 プレスリリース
http://www.otsuka.com/jp/hd_release/