米国、台湾、メキシコ、欧州などに続き、日本でも
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は1月17日、米国、台湾、メキシコ、欧州などに続き、日本でもEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌の適応で、ジオトリフ錠(R)(一般名:アファチニブマレイン酸塩)の製造販売承認を取得したことを発表した。
(wikiメディアより引用)
同剤は、承認された世界初の不可逆的ErbBファミリー阻害剤で、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼに共有結合し、不可逆的な阻害作用を示すとされる。
また、EGFR(ErbB1)と同様に、ErbBファミリーに属するヒト上皮成長因子受容体2(HER2(ErbB2))、ヒト上皮成長因子受容体4(ErbB4 (HER4))のチロシンキナーゼに対しても、それらのリン酸化を持続的かつ選択的に阻害することが確認されている。
日本での承認は、国際共同第3相臨床試験(LUX-Lung 3試験)を含む国内外の臨床試験データに基づいているという。
肺がん治療の新たな選択肢
LUX-Lung 3試験のデータでは、一次治療として標準的化学療法(ペメトレキセド+シスプラチン)を受けた患者群で腫瘍が増悪するまでの期間(PFS)が6.9 カ月(中央値)であったのに対して、同剤の投与を受けた患者群のPFSは11.1 カ月(中央値)という結果だった。また、同剤による一次治療は、肺がんの関連症状である呼吸困難および咳嗽のコントロールが良好であり、なおかつ全般的な健康状態を改善することも示されている。
事前に規定されたLUX-Lung 3試験のサブグループ解析結果によると、一次治療として標準的化学療法(ペメトレキセド+シスプラチン)を受けた日本人患者のPFSは6.9カ月(中央値)であったのに対し、同剤の投与を受けた日本人患者のPFSは13.8カ月(中央値)という結果になったという。
肺がんの症例において、非小細胞肺がんは約90%を占めているとされている。ジオトリフ錠の承認により、これまで手術不能とされた非小細胞肺がんや再発非小細胞肺がんの治療に、新たな選択肢をもたらすことが期待される。(伊藤海)
▼外部リンク
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/news_releases/