愛知県や豊橋技術科学大ら、産学行政連携の共同研究開発チームが開発
愛知県は1月21日、豊橋技術科学大など産学行政連携の共同研究開発チームが、1滴の血液からアルツハイマー病の原因物質を検出する機器を開発したと発表した。
この開発は、「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトの一環として行われ、独立行政法人国立長寿医療研究センターが開発した「マイクロビーズ」と、豊橋技術科学大が開発した「半導体イメージセンサ」を組み合わせた検査方法であるとされる。
独自の半導体イメージセンサにより、血液や尿に含まれる成分を簡単かつ迅速に検査することが可能となる。従来の検査方法に比べて、測定時間はもちろん、コスト、検査に必要な血液を10分の1程におさえることができるという。
(画像はプレスリリースより)
生活習慣病や糖尿病などにも応用を
病気になると血液中にその病気特有のタンパク質が現れる。半導体イメージセンサは、発現したタンパク質の抗原抗体反応時に発生する微小な電位の変化を感知する。具体例として、アルツハイマー病の原因物質の1つとされるアミロイドβペプチドの検出に成功した。
検査方法は、半導体センサを埋め込んだ検査キットに採取した血液をのせ、測定機器に入れるだけ。この技術を活用して、愛知県は今後、検査対象を血液から尿まで拡大したい意向だという。また、困難とされるアルツハイマー病の早期予知まで拡大し、生活習慣病や糖尿病、感染症などの検査へと応用を進めていく。
自宅で、簡単にしかも低コストで検査できる方法は、病気の日常管理として大きく期待される。同プロジェクトは、2015年度末をめどに、検査キットの実用化を目指していくとしている。(太田みほ)
▼外部リンク
愛知県 記者発表
http://www.pref.aichi.jp/0000067676
豊橋技術科学大学 ホームページ
http://www.tut.ac.jp/
独立行政法人国立長寿医療研究センター プレスリリース
http://www.ncgg.go.jp/pdf/20140116