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カルナバイオサイエンス TNIKキナーゼ阻害薬でEPOから特許査定通知を受領

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2014年01月21日 PM06:50

大腸がん治療薬、国立がん研究センターとの共同研究で創製

バイオベンチャーのカルナバイオサイエンス株式会社は1月10日、同社と独立行政法人国立がん研究センターによる共同研究で創出したTNIKキナーゼ阻害薬について、ヨーロッパ特許庁(EPO)から、2014年1月7日付の特許査定通知(Rule 71(3))を受領したことを発表した。

特許出願は、発明名称「TNIK INHIBITOR AND THE USE」、EP出願番号は「09796056. 1」。同社は、2008年6月に国立がん研究センターと共同研究契約を締結。以降、継続的にこのTNIKキナーゼ阻害薬の創製研究を行ってきている。

(画像はwikiメディアより引用 Author:Bernstein0275

同薬の研究開発にもはずみ

TNIKキナーゼ阻害薬が対象疾患としている大腸がんは、日本国内だけでも毎年約4万人の死亡原因となるなど、近年その患者数が増加傾向にあり、新たな治療薬の開発が望まれている。

大腸がん患者の8割以上は、Wntシグナルと呼ばれる経路に存在するAPC(adenomatous polyposiscoli)がん抑制遺伝子に変異が生じていることが知られている。こうしたことから、このAPC遺伝子変異により、下流のβ-カテニン分解に異常が生じ、蓄積したβ-カテニンが遺伝子の転写活性化をもたらすことで、がんが引き起こされるものとみられている。

こうしたこれまでの研究で得られた知見から、世界中の研究機関がWntシグナル伝達経路を遮断する新薬開発を目指しているが、有効な標的分子は見出されていない。

TNIKキナーゼは、国立がん研究センターにおいて、プロテオミクス技術を活用することで見出された、Wntシグナル伝達経路において重要な役割を果たしているキナーゼタンパク質のひとつであり、最近の研究成果として、TNIK阻害薬によるWntシグナルの阻害が、がんの転移や再発に深く関与するがん幹細胞を退縮させることが確認されてきている。

こうした研究の進展を背景に、カルナバイオサイエンスでは、同社が培ってきたキナーゼ創薬技術を活かし、TNIKキナーゼ阻害薬の研究開発を強力に推進していくとしており、今後が注目されるところである。(紫音 裕)

▼外部リンク

カルナバイオサイエンス株式会社 プレスリリース
http://www.carnabio.com/output/irlibrary/

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