製造販売業者に安全性速報(ブルーレター)を配布すると共に、使用上の注意を改訂して「警告」を設定するよう17日付で指示した。
同剤は、経口黄体ホルモンのドロスピレノンと卵胞ホルモンのエチニルエストラジオールを配合した薬剤で、排卵を抑制すると共に子宮内膜の増殖やプロスタグランジンの産生量を抑制することにより、子宮収縮運動を抑制し、月経困難症の疼痛などを軽減する。2010年11月16日の販売開始から今月7日までの推定使用患者数は約18万7000人。
添付文書に「警告」の項を新設し、同剤の服用により、「血栓症があらわれ、致死的な経過をたどることがあるので、血栓症が疑われる症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと」や、血栓症が疑われる症状として、「下肢の急激な疼痛・浮腫、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等」を追記すると共に、患者に対しても、このような症状があらわれた場合、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう呼びかけている。
同剤は、発売当初から添付文書で血栓症のリスクに関する注意喚起を行っていた。また、厚労省は、昨年6月に国内で20歳代の女性患者による1例目の死亡例が報告されたことを受け、8月に医療関係者向けの情報提供資材を配布。9月に2例目(10歳代後半の女性患者)の死亡例が報告された翌月には、同剤を服用している患者が産婦人科以外の医療機関を受診した場合でも、血栓症を念頭に置いた診察・治療が行われるよう、「患者携帯カード」を配布する措置を製造販売業者に指導していた。
しかし、今年に入って企業から40歳代の女性患者による3例目の死亡例の報告を受けたため、注意喚起のレベルを上げ、ブルーレターを配布して改めて血栓症のリスクを周知するための措置をとった。
厚労省は、医療機関が3例目の40歳代の女性患者にカードを渡していたかどうかは分からないとしている。