「花粉症発症年齢」が低年齢化
ロート製薬株式会社は1月8日、0~16歳の子供を持つ父母を対象に行った「子供の花粉症」に関する調査結果を発表した。この調査は2013年11月~12月にかけて行われたもので、父母2,082人から回答があり、3,475人の子供の症状や実態が集められた。
調査の結果、「子供が花粉症であることを父母が実感している」割合は28.8%で、2012年に行った同様の調査と比較して3.1%ポイント増加したという。発症した年齢では、「5歳」が最も多く12.5%で、0歳~5歳までの合計は41.8%(2012年36.6%)、0歳~10歳までの合計は78.6%(2012年69.3%)となった。
(画像はwikiメディアより引用)
「アレルギーマーチ」が皮膚から始まることを裏付ける
今回の調査では、子供全体での花粉症発症率は28.8%となったが、さらに花粉症と他の様々なアレルギー症状との関連を調べるうちに、1歳までの皮膚湿疹の症状と花粉症の相関が示されたという。
調査の結果、「1歳までに2ヶ月以上皮膚湿疹が続いたことがある子供」のうち、23.6%が花粉症、19.8%が花粉症と通年性アレルギー鼻炎の両方、14.2%が通年性アレルギー鼻炎を発症していた。これは、乳児期の湿疹から食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・喘息・花粉症などのアレルギー疾患が連続して発症する、いわゆる「アレルギーマーチ」が皮膚から始まるということを示唆していると言える。
子供の花粉症対策とは
いったん花粉症が発症すると、自然寛解する可能性は低いと考えられている。そのため発症を予防することが重要だ。具体的には、幼児期から、屋内への花粉侵入を予防する・外出時のマスク着用などの花粉回避策が大切とされる。さらに、子供の発症は気づきにくいため、大人がサインを見逃さないように注意が必要であるとしている。
また、アレルギーマーチが皮膚湿疹から始まることを考えれば、乳児期の湿疹を速やかに治療することにより、アレルギーマーチの発展を阻止できると言える。実際に、入浴後にワセリン等の保湿剤を使うことを習慣にすることで、湿疹やアトピー性皮膚炎を予防できるという報告もされている。(鈴木ミホ)
▼外部リンク
ロート製薬株式会社 プレスリリース
http://www.rohto.co.jp/comp/news/pdf/