プレセプシン測定試薬、1月1日付で保険収載
三菱化学メディエンス株式会社は1月6日、同社の体外診断用機器「パスファースト」の専用試薬で、敗血症の新規バイオマーカーであるプレセプシンキット「パスファースト Presepsin」が1月1日付で保険収載されたことを発表した。
「パスファースト Presepsin」は、2013年7月26日に体外診断用医薬品製造販売承認を取得、同年9月2日より発売が開始されているプレセプシンの測定試薬。敗血症(細菌性)診断の補助として、血漿または全血中のプレセプシン測定で用いることができるという。
(画像はプレスリリースより)
早期診断・治療で敗血症による死亡率減少を目指す
敗血症では早期に適正な治療を開始することが病状の悪化を防ぐために重要だが、現在もなお、米国における調査で、毎年同国の75万人の患者が重症敗血症を発症し、その約40%が死亡しているという。こうした死亡率を減少させるためには、診断精度の高いバイオマーカーが必要だ。
プレセプシンは、敗血症患者の中で高値を示すマーカーとして同定された分子量約13kDaの糖タンパク質。三菱化学メディエンスはこのプレセプシンに着目し、2008年、化学発光酵素免疫測定法に基づく同キットを開発した。その後、このキットについて臨床評価が進められ、国内外における臨床研究の成果により、敗血症診断に有用な新規バイオマーカーとして注目されているという。
プレセプシンは、これまでに用いられてきたバイオマーカーのプロカルシトニン、CRPに比べ、半日~数日早く陽性を示すとの報告がある。また、プロカルシトニンでは敗血症発症後の経過如何にかかわらず、測定値が低下していく傾向があるのに対し、プレセプシンは経過良好群では測定値が低下、経過不良群では測定値が高値を維持する傾向があるなど、敗血症の診断・治療における有用な特長をもつことが示されてきている。
さらに、プロカルシトニン、CRPは炎症マーカーであることから、外傷や熱傷、手術など侵襲による影響を受け、偽陽性を示す症例があることから、この点に課題があるとみなされているが、プレセプシンはそうした影響を受けず、偽陽性を示さないことも分かっているという。
「パスファースト Presepsin」は、1キットあたり60回で包装。保険区分はD007 血液化学検査 プレセプシン定量で、保険点数は320点となっている。(紫音 裕)
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三菱化学メディエンス株式会社 プレスリリース
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