厚生労働省は9日、高血圧治療薬「ディオバン」臨床研究の結果を用いた広告が薬事法上の虚偽・誇大広告の禁止に違反する疑いがあるとして、ノバルティスファーマと同社社員を東京地検に刑事告発した。薬事法に基づく資料提出命令、事情聴取によって、臨床研究データ改ざんの実態解明を進めてきたが、故意にデータ改ざんが行われたと知りつつ、効能・効果に関する広告に用いた疑いが強まったと判断。ノ社を刑事告発し、実態解明を検察当局の捜査に委ねることにした。
■実態解明は司直の手に
厚労省は、ノ社が2011~12年にかけて、データ操作されたディオバン臨床研究「KYOTO HEART Study」「JIKEI HEART Study」の結果を記載する資材を用い、ディオバンの効能・効果に関する広告を行ったと指摘。これら行為が薬事法第66条1項で禁止されている虚偽・誇大広告に該当する疑いがあるとし、ノ社に対し薬事法に基づく資料提出命令、事情聴取を実施して事実関係の確認を行ってきた。