慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬「スピリーバ」の適応拡大
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は1月6日に、レスピマット(R)を使用した長時間作用性抗コリン薬、チオトロピウム(製品名:スピリーバ(R)2.5μgレスピマット(R)60吸入)の適応を喘息患者の治療にも拡大する申請を行った旨を発表した。
もともと「スピリーバ」はCOPDの治療薬として承認されており、その安全性が支持され、年間3100万人の患者に販売している実績がある。
(画像はwikiメディアより引用)
チオトロピウム(スピリーバ)とは
チオトロピウムは、ベーリンガーインゲルハイムが開発した長時間作用型抗コリン性気管支拡張剤で、COPD患者の呼吸機能を大幅かつ持続的に改善する吸入薬だ。
チオトロピウムレスピマットは、べーリンガーインゲルハイムとファイザー株式会社により共同開発されたもので、その気道拡張効果は24時間持続するという。
UniTinA-asthma第3相臨床試験プログラムの結果に基づく承認申請
今回のチオトロピウムレスピマットの喘息適応承認申請は、UniTinA-asthma(R)第3相臨床試験プログラムの結果に基づいて行われた。同プログラムには、世界150ヶ所以上の施設で4,000人以上の患者が登録しており、計11の第3相試験を通じて、成人・青少年・児童(1才以上)の各世代における重症度の異なる持続性喘息患者を対象に、通常の治療に同剤を追加した際の安全性と有効性を評価した。
その結果、高用量ICSとLABAの併用治療を受けてもなお、十分コントロールできなかった喘息患者に対する同剤の安全性と有効性が明らかとなった。
またこの他、欧州呼吸器学会総会で初めて発表された2つのMezzoTinA-asthma(R)第3相試験のデータも合わせて、同剤の評価は行われた。この結果からは、中用量のICSを用いても十分コントロールできなかった患者の肺機能が改善し、24時間持続的に気管支拡張効果がみられた他、喘息のコントロールにむけて重要な改善がみられたことが分かったとしている。(鈴木ミホ)
▼外部リンク
日本べーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news