CFDAが承認した唯一のIPF治療薬に
株式会社ジーエヌアイグループは1月6日、同社の中国子会社である北京コンチネント薬業有限公司(以下、BC社)が2013年12月31日付で、特発性肺線維症(IPF)の治療薬F647に関し、国家食品薬品監督管理総局(CFDA)による製造販売許可を取得したと発表した。
F647(ピルフェニドン)は、これで中国におけるCFDAが承認した唯一のIPF治療薬となるという。いまだ解明されていない部分が多く、発症原因が不明のIPFは、慢性かつ進行性の経過をたどり、肺胞壁の線維化が進行、不可逆性の蜂巣肺を形成する予後不良の疾患として知られている。
この著しい呼吸機能障害を引き起こすIPFの中国国内患者数は50万人を超えるといわれており、いち早い治療薬の提供が望まれていた。IPFに関しては、治療薬は世界でもピルフェニドン以外に新た、有効な薬剤は見出されておらず、ステロイド系や漢方薬の処方もなされてきたものの、効果及び長期施用上、問題があるとみなされている。
(画像はwikiメディアより引用)
早期のアジア各国における展開も視野に
ジーエヌアイグループでは、今回の製造販売許可取得を受け、今後薬価及び商品名が確定次第、すみやかに製造販売を開始するとしている。
販売業者の選定・契約はほぼ終了しているといい、同社はこのF647について、AFT Pharmaceuticals Limited(AFT)とライセンス契約を締結している。AFTでは、中国国外での販売展開も目指し、各国における許認可取得準備を順次開始する予定という。
また、ジーエヌアイグループでは、F647を糖尿病腎症治療薬として、上海FDAに新薬治験許可(IND)申請も行っており、現在その審査中でもあるという。米国機関による最初の治験では、ピルフェニドンの糖尿病腎症に対する臨床的有利性が確認されているといい、こちらの進展も期待されている。(紫音 裕)
▼外部リンク
株式会社ジーエヌアイグループ プレスリリース
http://www.gnipharma.com/japanese/news/